小千谷市の名物『へぎそば』を食べよう

蕎麦は古くから食用にされてきた穀物の一種で、日本列島では一万年前から食されていたと考えられています。

しかし、平安時代には干ばつや飢饉に備える穀物でしかなく、農村部でお粥やすいとんのような蕎麦がきにして消費されるだけでした。

現在に伝わる麺類の蕎麦切りが定着したのは16世紀頃で、都市部の庶民に広がったのは18世紀以降のことです。

今日ではつなぎを使わず蕎麦の風味が強い十割蕎麦や、小麦粉を使ってのど越しを良くした二八蕎麦、つなぎに山芋を用いた製品など製法や食感の異なるものがありますが、個性的なのはつなぎにふのりを使ったへぎそばといえるでしょう

へぎそばは新潟県小千谷市周辺の名物で、『へぎ』と呼ばれるせいろに入れて提供されるふのりをつなぎにした蕎麦切りのひとつです。

ふのりを用いるようになった背景には、かつて越後で盛んに行われていたからむし織でふのりが用いられていた歴史があります。

からむしはイラクサ科の植物で、繊細な繊維の緯糸にはふのりに由来する接着剤が用いられていました。

また、魚沼地域はワサビの産地ではなかったため、薬味にはからしを添えるのが特徴ですが、現在ではワサビを提供したり併用する提供方法もあります。

もし、小千谷名物のへぎそばを楽しみたいのであれば、小千谷市の本町と平沢市に店舗を構える『わたや』を訪ねてみるのがおすすめです。

オンラインショップも営業されているので、遠方にお住まいの方はそちらがおすすめです。

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